アントワン式

 
     
 
東京理科大学 教授 大江 修造
 
     
  アントワン式は蒸気圧を計算する3定数の式である.気液平衡の計算に良く利用される.クラウジウス・クラペイロンの式より高い計算精度を有す.

log10 P = A - B / ( t + C )

ここに,Pは蒸気圧,tは温度であり,A,B,Cはアントワン定数であり,その値は物質により決まり,温度と蒸気圧 の単位で異なる.

 
 

蒸気圧は

P = 10 (A - B/(t + C))

により計算する

 
 

 
  著者自身が最小二乗法により最適な定数を決定したものである.主要な10物質の蒸気圧計算のためのアントワン定数を掲載しています.  
     

 

アントワン式: log10P[mmHg] = A-B/(t[℃] + C) の定数

 
 
物質名
A
B
C
 
 
Water
8.02754

1705.616

231.405
 
 
Methanol
8.07919
1581.341
239.650
 
 
Ethanol
8.12187
1598.673
226.726
 
 
Hexane
6.89122
1178.802
225.200
 
 
Heptane
6.89798
1265.235
216.533
 
 
Benzene
7.60093
1660.652
271.689
 
 
Toluene
6.96554
1351.272
220.191
 
 
Acetone
7.29958
1312.253
240.705
 
 
Methyl ethyl ketone
6.86450
1150.207
209.246
 
 
Tetrahydrofuran
6.99628
1202.942
226.332
 
     
 


上記データの出所は

1850物質のアントワン式定数を掲載してある
大江 修造編著
「Excel蒸気圧データ-アントワン式定数集-第2版」



東京理科大学 教授 大江修造のWebサイト

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