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第10章 拡散係数

10.拡散係数

分子は絶対零度にならない限りたえず運動している.この運動によって,分子は「拡散」する。例えば,2種類の気体が容器の中に存在していて,容器内の場所により濃度に差があるとき,時間がたつとその差はなくなり容器内の濃度は均一になる.これは容器内で分子が「拡散」した結果である.酸素分子の0℃における運動の速度は376.6m/sである(正碓にはこの速度の酸素分子が最も多い)。1m移動するのに要する秒数は2.66×10-3であり,短時間のうちに拡散することが予想される.現実には,他分子が多数存在するために隣接する他分子と衝突しながら「拡散」していくのである.他分子の数は1cm3中に,0℃,1気圧の場合であると2.692×1019個にもなる.気体分子に比較して液体分子の場合は,さらに隣接する他分子の数が多いので,拡散の速度は大幅lこ小さくなり,気体分子の拡散速度の1万分の1程度となる.

10.1 理論

「拡散」という語は,圧力拡散,熱拡散,強制拡散などというようにいろいろな意味に使われている.物性定数でいう「拡散」は,濃度勾配により物質が移動する場合のことを指し,定温,定圧が前提となっており,当然外部からの強制的な撹拝などはないとする.正確にいえば「拡散係数」あるいは「拡散度」は,拡散量と濃度勾配(推進力)との間の比例定数である.すなわち..

推算例

【10.1】水素と炭酸ガス系の295K,1atmにおける拡散係数を気体分子運動論により求めよ.

【10.2】塩素と塩化水素系の0℃,1atmにおける拡散係数をブロカウ式により求めよ.

◎本章のポイント◎

拡散係数をレナード・ジョーンズ ポテンシャルなどから求めます.計算例10題を掲載

拡散係数のデータ掲載

  • 無機化合物11種の空気中における相互拡散係数
  • 有機化合物32種の空気中における相互拡散係数
  • 無機化合物混合物35種の0℃,1atmにおける相互拡散係数
  • 有機化合物混合物12種の0℃,1atmにおける相互拡散係数
  • 無機・有機化合物混合物50種の0℃,1atmにおける相互拡散係数
  • 液体2成分系54種の無限希釈における相互拡散係数


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