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気体および液体の密度は,温度と圧力により変化する.気体の密度は液体の密度に比較して,温度および圧力による影響が極めて大きい.物質のある温度および圧力下で占める容積の関係をP−V−T関係という。気体の密度はこのP−V−T関係を使って求められる.P,V、Tは,それぞれ圧力,容積および温度のことである。液体の密度も,理論的には,このP−VーT関係により求めることが可能であるが,通常は別の方法によることが多い. |
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水の20℃における密度は,水蒸気表から0.9982g/cm3であり,飽和水蒸気の密度は1.73×10−5g/cm3である.温度を50℃に上げると,それぞれ0.9880g/cm3,8.306×10ー5g/cm3と変化する.水の密度はわずかに滅少し,飽和水蒸気の密度は大幅に増加し,約5倍の値となっている.このように,気体と液体の密度はその挙動に大きな相違がある。物質は温度および圧力により気体・液体・固体のいずれかの状態で存在する。気体および夜体のP−V−T関係を図3.1に示した.温度および圧カを決定すると容積が求まる.気相では温度は臨界温度をこえていて,一定温度Tでは図中に示した等温線にしたがって圧力と容積とが変わる.温度が臨界温度より低くなると,物質の存在状態は液相・気液共存相・蒸気相のいずれかの状態で存在する.物質は臨界温度より低い温度で圧カが低いと蒸気相で存在する。一定温度T'の状態で,蒸気相を圧縮していくとついには凝縮し,飽和液体と飽和蒸気とが共存する状態となる.さらに圧縮するとすぺての分子が凝縮して... |
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3.3 密度の推算法 |
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気体密度の推算法としては状態方程式による方法,一般化圧縮係数線図を用いる方法があり,液体密度の推算法としては,沸点における密度を化学構造式から推算する方法および対応状態原理による方法がある. 3.3.1 純粋気体の密度の推算 3.3.1.1 理想気体の法則 圧力が5atm程度までならば,理想気体の法則を用いて計算しても誤差は大きくならない.(3.3)式によるのであるが,気体定数Rの値は,密度,モル数,温度および圧カの単位の取り方により表3.3のようになる. 3.3.1.2 実在気体の状態方程式による方法 ファン・デル・ワールスの状態方程式 レドリヒ・クオン式 |
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推算例 |
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【3.1】イソブタンの1atm,340Kおよび30atm,410Kにおける気体の密度g/cm3を推算せよ.実測値はそれぞれ0.00212g/cm3,0.0850g/cm3である. |
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密度を理想気体の法則・状態方程式・対応状態原理・化学構造式などから求めます.計算例5題を掲載 |
気体・液体の密度データを掲載
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