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物質は温度および圧カの条件によって,気体,液体,固体のいずれかの状態で存在する.さらに,条件を選ぶと,気体,液体,固体の単一の状態で存在せず,別の状態と平衡を保つ.すなわち,気体と液体,液体と固体,気体と固体,液体と別の液体などが共存する.物質は温度,圧カによりその存在状態が変わるので,状態といわずに「相」と呼ぴ,一般に相乎衡という.この点からすれば,純粋物質についても相平衡と呼んでよいことになるが,相平衡という場合は混合物の場合であることが慣習となっている.例えば,水の蒸気圧は相平衡といわずに「蒸気圧」と呼んでいる.相平衡で問題となるのは,温度,圧力,各相の組成であり,特に重要なのが各相の組成の関係であり,狭義には,組成の関係のみをもって,相平衡関係という場合もある. 相平衡には, @気液平衡(気液液乎衡,ガス溶解平衡をも含む)(図5.1参照) A液液平衡(図5.2参照) G固液平衡(図5.3参照) C気固平衡(図5.4参照) などがある.気液平衡は液相に平衡な蒸気相が存在する場合であり... 5.3.1 理想溶液の計算 温度一定の状態で溶液中の成分の発生する分圧は,その成分が単独で存在するときの蒸気圧に対しその成分の濃度に比例する(ラウールの法則)溶液を理想溶液という。いま,2成分系を考えると,各成分の分圧は, p1=P1x1、p2=P2x2 (5.2) となる.ここに,P1,P2は第1および第2成分が単独で存在するときの蒸気圧であり,p1,p2は各成分の分圧,x1,x2は各成分のモル分率である。溶液の全圧は,各成分の分圧の合計(ドルトンの法則)であるから, π=p1+p2=P1x1+P2x2 (5.3) となる.ここに,πは全圧である・図5.22に,分圧と全圧との関係を示した.一方,気相における各成分の組成をy1,y2とすると,ドルトンの法則ら... 推算例 【5.1】大気圧下において,ベンゼン 55.1mol%,トルエン 44.9mol%の溶液がある。気液平衡状態の温度および蒸気相組成を求めよ。ただし,蒸気圧は次のアントワン定数から計算するものとする。 ベンゼン:A=7.60093,B=1660.652,C=271.689 トルエン:A=6.96554,B=1351.272,C=220.191 |
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気液平衡・溶解平衡・液液平衡を活量係数式および状態方程式により推算します.代表的な推算式を詳しく解説.計算例23題を掲載 |