平成22年度 化学工学会賞

大江 修造 氏(東京理科大学)

[功績]

日米における蒸留分野の技術研究開発の国際協力に対する貢献

 大江修造氏は,化学工学会と協力関係にある米国化学工学会American Institute of Chemical Engineers(略称AIChE)の分離技術部会(Separation Division)の特に蒸留工学部門における長年の功績に対して,AIChE創立100周年記念大会の2008年会(11月,フィラデルフィア)で表彰されました。その栄誉を称える蒸留の2セッション(Distillation HonorsT&II)が同年会において開催され,日本の化学工学会から6名の招待講演者を招かれるなど,その運営にも尽力されました。そこでの発表内容は最先端の蒸留装置および画期的な省エネ率を誇る国家プロジェクトの内部熱交換式蒸留装置(HIDiC:Heat Integrated Distillation Column)に関するものでありました。

 AIChEの分離技術部会は米国の蒸留研究機関である Fractionation Research,Inc.(略称FRI)と連携して活動しています。石川島播磨重工業(株)(現IHI)在職中に発明され,社長賞に輝いた蒸留塔用棚段(アングルトレイ)の工業化試験を1978年にFRIで成し遂げられて以来,FRIおよびAIChEとの交流に努力を傾注されてきました。 また,AIChEの年会で継続的に研究報告をされる一方で,FRIの顧問として専門である気液平衡について貢献されるとともに,日本での定期的なFRIの研究成果報告会の開催にも献身的に努力をされ,現在に至っています。

 以上のように,大江修造氏は蒸留分野の技術開発研究の国際協力に長年にわたり貢献され,AIChEのDistillation Honorsセッションの開催にも参画されて,その運営に尽力されるとともに,FRIの研究成果報告会を日本で定期的に開催し,日米の蒸留工学の発展に大きく寄与されました。その功績は国際功労賞を受賞するに十分値するものであります。

[受賞者略歴]

Shuzo OHE (正会員)

1962年4月 石川島播磨重工業(株)現IHI入社 第1化学プラント設計部配属

1963年 4月〜1964年3月 同社在籍のまま東京都立大学大学院平田研究室に国内留学

1971年 4月 工学博士(東京都立大学大学院 論文博士)

1973年10月 米国Fractionation Research Inc.にてアングルトレイの研究開発に従事

1980年 4月 東海大学工学部工業化学科助教授

1982年 4月 同教授

1991年 4月 東京理科大学工学部経営工学科教授

1995年 4月 東京理科大学大学院工学研究科工業化学専攻教授

2001年〜2003年 東京理科大学 図書館長

2002年〜現在 米国Fractionation Research, Inc. 顧問 

2004年〜2007年 代議員

現 在 東京理科大学 理学部 応用化学科 教授

連絡先; 〒162-8601 東京都新宿区神楽坂1-3

E-mail;ohe@s-ohe.com


化学工学 第75巻 第3号 (2011) 185